2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
だれも振りむかないとき そっと見まもる空 だれも聞いてくれないとき しずかに耳かたむける道 だれも声をかけないとき ちいさく囁く石 だれも伴に歩くもののいないとき ゆれる草むらを行く蝸牛 だれも支えてくれないとき さりげなく肌をさしだす樹 だれも抱…
泪の雫は海の鍵盤を爪弾きふるさとの空へ旋律の虹をかける 引く波往く波百年の諧調をおりなす それは欠片の記憶億光年のしらべ 永遠の焔をたたえる密かやなかなしみ 瞼閉じれば涯しなき今 星が纏うは薄衣 闇に抱く鴇色の花影
小学校のはじめの四年間、何をしていたのだろう。病欠が半分ちかくあったかもしれない。授業では下を向いておとなしくしているばかり。授業の合間に外で遊ぶこともまったくなかった。ひとり教室でぼんやりしていたのだろうか。 十一歳になった。身長が伸びた…