2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
声を聞けばよい。 俯瞰することも声高に語ることもいらぬ。上から見下ろさず、無限の時とともに果てない大地を見渡し、静かに微笑みながらとどまり、総てを感じる。無限の彼方、あちらからの声、声なき声に耳を澄ます。砂地に刻まれた小賢しい言葉は波が連れ…
不肖の弟子にとって、師匠はありがたい。ふと怠りがちな大切なことを繰り返し、その必要なときに身に染むよう指摘してくれる。こちらを憚り誰もが言ってくれないことを直截に伝えてくれる。破門寸前になったり、あるいはこちらから異を唱え、別の道へと袂を…
そのピアニッシモは、沈黙に灯された小さな雫の如く、静かにその波紋を広げ、心の扉を開放してくれた。 盲目の音楽家とは何者か。原初生命体であった何者かは、藍鉄色の深海に育まれた響きを全身で受けとめていたのではないか。母の海に抱かれた何者かは、生…