ひかりかわすことば

あしうらを確かめ坂道に歩を刻む。顔を上げ眼差しは遥かなる海と夕焼ける雲にとけ合いひかり満ちる。古の笛に風の囁きを聞き、鐘の音、篤き大地にいのち深き響きあり。遥かなるものに包まれた慈くしき館の温かさに心和み、空を仰ぎ見て苦を代り受け逝きし影に手を合わせ涙留まること知らず。その声に耳を澄ませ果てしなき闇の深みに沈黙のことばを交わす。死せるものと大いなるものと、いまここにある、風に揺らぐ何者かと。

 (長崎を訪れて)

 

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