2017-04-10から1日間の記事一覧

『夢十夜 第一夜』(夏目漱石)寄せて

泪の雫は海の鍵盤を爪弾きふるさとの空へ旋律の虹をかける 引く波往く波百年の諧調をおりなす それは欠片の記憶億光年のしらべ 永遠の焔をたたえる密かやなかなしみ 瞼閉じれば涯しなき今 星が纏うは薄衣 闇に抱く鴇色の花影

十一歳

小学校のはじめの四年間、何をしていたのだろう。病欠が半分ちかくあったかもしれない。授業では下を向いておとなしくしているばかり。授業の合間に外で遊ぶこともまったくなかった。ひとり教室でぼんやりしていたのだろうか。 十一歳になった。身長が伸びた…